妊娠中の体重管理-具体的な増加の目安-

妊娠中の正常な体重増加について

「標準体重であれば9〜12キロの体重増加が目安です。」ってよく言われますが、これじゃあピンとこなくないですか?

私はもっと具体的に説明します。

「妊娠30週までは+6kg、30週以降は+4-5kgと思ってください。」

といつも説明していました。

根拠としてはあかちゃんの体重増加。

ピンクの枠を確認してみてください。30週までが1474gなのに対し、40週ではその倍の3125gにまで成長します。

30週超えてから体重を標準以内に抑えようと思っても無理です。

このため最初から30週までは+6kgと思っておかないと一気に15キロ、はたまた20キロ増えちゃいました…なんてことになります。

なぜ体重管理が必要か

妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病の予防

急激な体重増加はそれだけ体に負担がかかります。ただでさえ妊娠によって体はフル稼働状態。それ以上の負担がかかると合併症につながります。

妊娠高血圧症候群は最も避けるべき合併症です。最悪の場合母子ともに命にかかわりますし、私自身これで何度怖い思いをしたかわかりません。

妊娠糖尿病は赤ちゃんが巨大児になりやすく、お産が大変です。

また妊娠中になった方は産後いったんはよくなっても高確率で糖尿病になります。私の個人的になりたくない病気1位は糖尿病です。透析まで進んでしまったら生活の自由が本当になくなります。生活習慣次第で避けることができる可能性があるのでここはしっかり避けたいところです。

MEMO
遺伝などの影響も大きいので必ずしも生活習慣だけが原因ではありません。気をつけていても妊娠高血圧、妊娠糖尿病にはなります。

赤ちゃんの心拍がとりにくい

赤ちゃんの心臓から腹壁が遠ければ遠いほど心拍はとりづらくなります。お腹の脂肪は助産師泣かせです笑。体重20キロ増加とかになるとこの問題に悩まされます。赤ちゃんの心拍の確認は安全なお産のために必須です。体重増加は標準以内にしましょう。

お肉が産道を狭くする

皆さんは気づかないところですが、内診の時に「狭っ!!」ってなります。もちろん言いませんが。体重増えすぎの方は赤ちゃんも大きめだったりするので、これどうするんだ!?ってなります。最後の最後に自分が苦しむことになります。

体重増やさないためにご飯を減らす?

これは絶対やってはいけないことです。

理由は次の「妊娠中のやせすぎに注意!赤ちゃんがメタボになる!?」で説明しますので少しお待ちくださーい!

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